マーケティング担当や広告・コミュニケーション業界の1~2年生のビギナーさん必読です。
マーケティングにインサイトを活用する方法をご紹介します。
「インサイトって聞いたことあるけど、実はあまりよく知らないから、基礎から知りたい。」
「インサイトをマーケティングにどう活用すればいいか分からないから、手順を教えて欲しい。」
こんな疑問にお答えしちゃいます!
INDEX
- インサイトの本質を理解する
- マーケティングにインサイトを活用するメリットが分かる
- 実際にインサイトを活用する手順が分かる
実際にインサイトを活用した事例として有名なのが、1984年に日本市場に現れた最強アイスクリーム「ハーゲン〇ッツ」です。
当時「子供が食べるおやつ」として認識されていたアイスクリーム市場に「大人の高級アイスクリーム」というポジションを打ち立てることでライバル企業との競争から抜け出すことに成功し、今なお続くロングセラー商品となっていますね。
2018年現在は中条あやみさんが出演するCMが放送されていますが、「大人がゆったりとした時間を過ごすための贅沢品」としてのイメージが引き継がれています。
YouTubeなどでも動画は公開されていますので、気になる方は検索してみてください。
(*)詳しい話は「ハーゲン〇ッツ 大人のアイス」で検索するとたくさんの解説記事が出てきますので、時間があるときにでも目を通してみてくださいね。
こうした成功例を生み出すインサイトについて、その本質的な意味や実際の活用方法をご紹介したいと思います。
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目次
インサイトの本質は、消費者を動かす心のホットボタン
いまこの記事を読んでいる方は、おそらく企業のマーケティング担当や広告・コミュニケーション業界に足を踏み入れてまだ日の浅い方々だと思います。
「インサイト」という言葉も、どこかのタイミングで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか??
まずは、たくさんの解釈が存在するインサイトという言葉を、簡単に定義づけしたいと思います。
インサイトとは…
- 消費者のホンネである
- 人の心動かすツボである
- 商品やサービスを購入する「動機付け」となる、ピンポイントの心理である
言い換えただけで、どれも言っていることは同じですね。
マーケティングは、商品開発も、広告・コミュニケーションも、そのホットボタンを押す手段にすぎません。
つまり、素晴らしいインサイトを見つけること、見つけたインサイトを活かすことが、今回解説するインサイト・マーケティングなのです。
では実際、マーケティングにインサイトを取り入れることでどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。
マーケティングにインサイトを取り入れると、市場の抜け駆けが出来る。
いま、日本の市場にはたくさんのモノやサービスで溢れています。
以前の様に製品の機能的な特徴だけを押し出すだけでは、市場が飽和して仁義なき価格競争が巻き起こるレッドオーシャンを攻略することはかなり難しいと言えるでしょう。
「いいものをつくって売る」の限界
日本の多くの企業はいまだ製品ありきのマーケティングから抜け出すことが難しいと感じているようで、上手く消費者視点にマーケティングをチューニングすることが出来ていません。
先人たちが積み上げた技術力・品質至上主義というべきか、職人気質というべきか、
のシステムから抜け出せないのです。
インサイトは「買ってくれる人を理解して、作る」
インサイト・マーケティングは消費者の視点に立って、固定概念に縛られることなく「消費者のホンネ」を探り、そこで発見した事実をもとに製品やコミュニケーションを考えます。
そのため、既存のカテゴリーから抜け出した全く新しい市場=ブルーオーシャンを自由に開拓することが出来るのです。
ここで注意したいのは、消費者のホンネとは決して「消費者が口に出した欲求」ではありません。
消費者が自分では気づけなかったが、言われてみて気づくような驚きや発見のある欲求こそ、いいインサイトと言えます。
これと同じような考えについて、iPodやiPhoneをこの世に生み出し大成功をおさめたスティーブ・ジョブスはこんな言葉を残しています。
ある人たちは「顧客の望むものを与えよ」と言うが、それは私のやり方ではない。私たちの仕事は顧客が望むよりも先に彼らがこれから望むであろうものを理解することなのです。
インサイトによって消費者を理解し、その奥底にあるホンネを探り出すと、まだ誰も見たことが無い新しい市場が開拓できるようになります。
既存のカテゴリーを革新・活性化し、またiPhoneの様に商品への愛着をも生み出すことにつながるのです。
マーケティングにインサイトを活用する4つのステップ
マーケティングにインサイトを取り入れた戦略を作り上げるのは驚くほど簡単です。
たったの4ステップで出来上がります。
- 見つける
- くっつける
- ひっくり返す
- 広げる
…これだけです。
次に、各ステップを詳しく見ていきたいと思います。
インサイトを見つける
まずは、戦略の核となる「キーインサイト」の発掘に取り掛かります。
インサイトには大きく分けて2つあり、それぞれ複数の案を思いつくままに書き出していきます。
ヒューマンインサイト
カテゴリーに関係なく、ターゲットとなるユーザーが人として持っている感情やニーズ。夢・願望、怖れ・不安、セルフイメージなど。
(例)30代男性のヒューマンインサイト:カッコいいと思われたい。いつまでも若々しくいたい。
カテゴリ―インサイト
カテゴリーに対する消費者の深層心理。
なぜ使用するのか…動機付け要因
なぜ使用しないのか…バリア・心理的抵抗感
(例)スキンケア商品のカテゴリーインサイト:30代男性は、即効性のある効果がないと面倒だから使わない。女子っぽいから使わない。
ポイントは、
- とにかくたくさんのインサイトを書き出すこと。
- 使えそうなインサイトには印をつけておくこと。
インサイトをくっつける
先程見つけ出したヒューマンインサイトとカテゴリーインサイトからギャップが生まれる2つのインサイトを見つけ出して
の様な、一つの文章としてきれいになる様にくっつけてキーインサイトをつくります。
= カッコいいと言われたいのに、スキンケア商品は女子っぽい(キーインサイト)
ポイントは、
- 一つにこだわらず複数のキーインサイトをつくること。
- ギャップがより際立つキーインサイトをつくること。
インサイトをひっくり返す
出来上がったキーインサイトをひっくり返し、ギャップを満たすための企業から消費者への提案(プロポジション)をつくります。
⇔ カッコよくなるための、男らしいスキンケア(プロポジション)
ここでは、“女子っぽい”をひっくり返して“男らしい”にしています。
他にも”ワイルドな”や”マッチョな”なども使えそうですね。
ポイントは、
- プロポジションも複数作ってみる
- キーインサイトで明らかになった消費者のホンネを満たしてあげるための文章を意識する
(言葉の入れ替えや言い換えをしてみましょう。)
プロポジションを広げる
出来上がったプロポジションをもとに、マーケティングの4P/4Cに広げてみましょう。
- 製品:男らしいスキンケア商品とは?どういう商品で、どういう使い方で?
- コミュニケーション:男らしさを伝えるためには、どういうメッセージやイメージで コミュニケーションをとる?
ここをどれだけ具体的に、且つ製品・サービスの特徴を活かした内容にできるかが肝です。
少し前に流行った「肌男」なんかは、おそらくこういう考え方で生まれたコピーではないでしょうか?
…以上で4ステップ。
思っていた以上に簡単でしたね。
それでも1度読んだだけでは理解できないとも思いますので、何度か繰り返し読んでいただければと思います。
キーワードは「見つける、くっつける、ひっくり返す、広げる」です!(笑)
まずはこの手順に沿って、一度トライしてみてください!!
ひとりで考える、みんなで考える、もっと勉強する
なるべく簡単にマーケティングにインサイトを取り入れる方法をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
まず始めは一人で試しにやってみて、いい感触がつかめたら仲間や友人を誘ってグループワークをしてみてもいいと思います。
ひとりで考える、みんなで考える
ご紹介した手法は、一人で出来ます。
僕が以前セミナーで学んだ手法を、一人で出来るようにアレンジを加え、今でも活用している生のノウハウです。
ただ、中途半端に商材やマーケティングの知識があると、無意識のうちに思考にブレーキをかけて自由度が減ってしまう気がしています。
もしできるのならば、ランチでもご馳走して案件に全く関係のない人を誘って複数で行うと、より素晴らしいインサイトが生まれやすいです(笑)
自由な発想や着眼点は、1000円ランチを奢っても余裕でおつりがかえってくるほど貴重なものですから。
もっと勉強する
もっと詳しくインサイトについて勉強したい場合におススメの書籍を2点ご紹介したいと思います。
戦略インサイト――新しい市場を切り拓く最強のマーケティング
著者の桶谷さんは日本のインサイトの第一人者とも言われています。
長らく広告で使われてきたインサイトをマーケティング活動全般に活用する方法がまとめられており、かなり勉強になります。
この記事でまとめた内容も、桶谷さんのマーケティングセミナーで学んだことを独自にアレンジしたものだったり…。
手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略
この本は広告プランナーの方は特に必読です。
プランニング手法が体系的に紹介・解説されており、どれもいまだ現役で使えるものばかり。
インサイトにも言及されており、第3章:アカウントプランニングの中で触れられています。
なお、僕のTwitter(@marugomegannba)でもマーケティング、広告・コミュニケーション、プランニングに関する情報を中心に発信していますので、是非フォローしてください!!
Let’s studying..!!