マーケティング・広告・コミュニケーション業界など企画屋さんの1年生の悩み
- アイディアが全然思いつかない…
- アイディアが思いつくための実践的な方法を教えて欲しい!
こんな疑問に、毎日アイディアを考え続ける現役コミュニケーションプランナーが疑問にお答えする、アイディアの発想法シリーズをお届けします。
今回のテーマは逆転の発想法の1つ、逆設定法です!
INDEX
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逆設定法とは?
逆設定法はテーマに対する"常識”を逆転させ、そこから発想のヒントを探す技法。
いわゆる「逆に~」というやつです。
無意識のうちに捉われてしまっている固定概念から強制的に脱却することで、これまで考え至らなかった全く新しい視点からアイディアを生み出すことが出来る有効な素晴らしい発想法になります。
僕は仕事柄とにかく新しいアイディアをたくさん求められますので色々と試行錯誤していますが、この逆設定法のヘビーユーザーです。笑
逆設定法のやり方は?
逆設定法の手順はとっても簡単。
基本的な流れは下記です。
- テーマを決定する
- テーマに対する常識を羅列する
- 出てきた常識に対して180度逆の状況を機械的に書き込んでいく
- 設定した逆の状況をもとにアイディアを発想する
1つずつ見ていきましょう。
1.テーマを決定する
与えられたお題に沿ったテーマを自由に設定しましょう。
今回は仮にお題とテーマを設定してみますので、一緒に考えてみてください。
お題:いまよりもっと「傘」のある生活を増やす
テーマ:傘
2.テーマに対する常識を羅列する
次に、テーマに対する常識や習慣を箇条書きレベルで羅列しましょう。
ポイント:誰の常識かも考える
例えば、20代の男性が持つ常識と60歳の主婦が持つ常識は当然違ってきますよね?
都心に住んでいるか郊外に住んでいるかでも、価値観は大きく異なるものです。
ターゲットの設定をごちゃまぜにすると、出てくる常識や慣習、アイディアが的外れなものになってしまいがちです。
しっかりとイメージを膨らませて、誰にとっての常識なのかも一緒に考えておくことをおススメします。
さて、今回は「傘」がテーマなので、傘の常識や習慣についていくつか羅列したいと思います。
- 雨の時にさす
- 1家に1本はある
- 手で持つ
- ビニール傘は安い消耗品
- 傘は1人1つ使う
考えればもっとたくさんの常識が存在するはずですので、時間を決めて思いつく限り羅列していきましょう。
3.出てきた常識に対して180度逆の状況を機械的に書き込んでいく
次に、先ほど羅列した常識や慣習の180度逆の状況を設定していきましょう。
- 雨の時にさす ⇔ 晴れの時にさす
- 1家に1本はある ⇔ 家に1本もない
- 手で持つ(歩行者) ⇔ 足に装着する
- ビニール傘は安い消耗品 ⇔ 高級で丈夫な耐久品
- 傘は一人一つ使う ⇔ 傘はみんなで1つ使う
逆設定法は固定概念からいかに脱却できるかが重要なポイントです。
出来るだけ固定概念が反映されないように、現実性を度外視しながら単語レベルで機械的に逆の状況を設定すると良いアイディアのヒントが出てきやすいですよ。
4.設定した逆の状況をもとにアイディアを発想する
ここからは設定した常識と180度逆の状況をヒントにアイディアを発想する段階です。
先程の傘の例のうち、
雨の時にさす ⇔ 晴れの時にさす
はお分かりの通り「日傘」という傘の使い道として普及していますよね。
そこで今回注目してみたのは、
傘は一人一つ使う ⇔ 傘はみんなで1つ使う
という状況です。
今の時代、部屋や車など様々モノがシェアされている中で、「傘をシェアする」ことはなかなかありません。
でも、急に雨が降ってきたときとか傘を忘れてしまった時など、「ちょっとだけ傘に入れて欲しい!」と思うときありませんか??
そんな時、「あいあい傘のソーシャルマッチングサービス」なんてあったら素敵じゃないですか。
「傘に入れて!」と困っている人と、「入れてあげてもいいよ!」という優しい人をリアルタイムでマッチングさせるサービスです。
ちょっとした移動距離を雨に濡れないで移動できるばかりか、新しい出会いだって生まれるかもしれません。笑
出会い系のサービスが普及している今なら、意外と新しい市場を開拓できるんじゃないかと思っています。
…とまあ、このように常識の全く180度逆の状況を設定してみることで、少しの時間でも新しいアイディアを発想することが出来ましたね。
ご紹介した方法を真似しながら、自分でテーマを設定して新しいアイディアを発想してみましょう!
おまけ:アイディアの発想法をいくつか組み合わせて使ってみる
今回ご紹介した逆設定法は、あくまでも発想のヒントとなる要素をあぶり出す1つの手法にすぎません。
出てきたヒントをもとに改めてブレストをしてアイディアを出しまくる → KJ法で整理して新たな着想を得る
など、他の発想法も組み合わせながら、どんどんと思考を進めてたくさんのアイディアを生み出していくことが出来ます。
このブログでもアイディア発想法をご紹介していきますが、たくさんの発想法を駆使してロジカルにアイディアを生み出す方法については、下記の本がとても勉強になります。
ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる
アイディアがひらめくためのロジカルな思考術が体系的にまとめられている僕のバイブルです。
大手広告会社博報堂出身の木村健太郎さんと磯部公毅さんが書いた本ですが、僕はこれを読みながら日々の業務で試行錯誤してアイティアを絞り出しています。
また単発のアイディアだけでなく、コミュニケーション戦略を上手く活用することもマーケターにとっては重要ですよね。
下記の本も併せて勉強するとよいでしょう。
手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略
1つ前にご紹介した本を書いた磯部公毅さんが書いたもの。
マーケティング・コミュニケーション関連の仕事をしているならば、この本は必読です。
アイディアの発想法ではないですが、プランニングの手法について体系的にまとめられていますよ。
最後になりますが、仕事をしている中でアイディアの発想法はなかなか教えて貰えません。
経験則で語られることが多いのが現実です。
それでも、今回ご紹介した逆設定法の様にロジカルなアイディアの発想法があるんだということを知って貰えたらうれしいです。
それではいいアイディアをこれからも。
Let’s studying..!!