カナダのクリエイティブエージェンシー「lg2」が仕掛けた、事故防止を啓発するなんともショッキングなプロモーション事例です。
何はともあれ、まずはコチラをご覧ください。
…見ているだけでも最後にドキッとしてしまいますね。
今回はこのプロモーション事例をmarugome視点で解説していきたいと思います。
ポイント
- 事故を疑似体験してもらう
- ギャップでメッセージを強化
- 連想でたどり着いた、レントゲン演出
それではひとつずつ見ていきたいと思います。
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事故を疑似体験してもらう
この啓発プロモーションが上手くいった理由の一つが、メッセージを経験で伝えることにしたことでしょう。
あらゆる広告が注目されにくくなっている中で、単純に「ここは事故が多いから気をつけてね!」とメッセージを発するだけでは受け取られないし、仮に受け取ってくれたとしても記憶への定着はほとんど期待できません。
今回はユーザーに事故を疑似体験させたことで、ユーザーに自ら「こうはなりたくないな」という気付きを与えることに成功しました。
メモ:広告と体験価値についての補足
AdverTimesでも特集されていましたが、
体験の方が「広告」の9倍の価値をもつこともあるそうです。
人は読んだことの10%しか覚えてないが、体験したことの90%は忘れない
前回のコラムでは、アドブロックのような手段で広告がブロックされたり、広告が無意識にスルーされたりしてしまう時代に、広告主はどう変わっていくべきなのかという話について考えてみました。
ギャップでメッセージを強化
いわゆる、上げて落とす、落として上げる様な戦略です。
体験を通してメッセージを訴求したいときには、このギャップがかなり使えます。
今回の場合はこうです。
上げて:自分の動きに合わせてレントゲン風がい骨映像が動いて面白い!!
落とす:映っていたがい骨が車にひかれて粉々になる
エンタメ要素の強いインタラクティブなコンテンツを要して十分楽しんだところに、ショッキングな演出で事故の恐ろしさを表現しています。
前半を楽しめば楽しむほど、後味の悪さはひどくなるでしょうし、きっとこの道を通るたびにその嫌な思いがフラッシュバックしてしまうことでしょう。
レントゲン風がい骨映像に至る、連想の発想
アイディアが思いつくための発想法の一つに「連想」があります。
○○と言えば、□□
を延々と繰り返すやり方です。
おそらく今回の場合は、
事故防止
→(と言えば)事故
→(と言えば)骨折
→(と言えば)レントゲン
⇒レントゲンを使って事故防止を訴える
などでしょうか。
今回の場合はこの発想に「体験価値」と「ギャップ」を加えることで、
より効果的なプロモーションが出来上がっています。
ちなみに:若者は特に体験にお金をかける
手ごろな価格で良いモノ・サービスが手に入る今、昔の様なハイブランド・高級志向を今の若者は以前よりも減っています。
そんな彼らが今お魅力を感じるのは「体験」だそうです。
「モノからコトへ」の本当の意味~体験ブランディングの背景にあるもの(後半)
先日、新聞を読んでいると20代で起業している若者たちのインタビュー記事が載っていたのですが、その中に興味深い言葉がありました。要約するとこんな内容です。
今ではレジャー・遊び体験予約サイトなどもメジャーになってきました。
僕の周りでも使っている人がいるので、実感としても「体験」への投資が増えている様な気はしています。
ちなみにレジャー・遊び体験予約サイトはこういったサイトです↓
※どんな遊びやレジャーなどの「体験」が提供されているのかを勉強できるので、アイディアの参考に僕もたまに見ています。
またこれは少し驚きでしたが、既に「体験」はプレゼント需要も発掘している様です。
どちらも勉強のために見ておいてもよいかと思いますよ。
最後に、今回の記事内でも出た「連想」法など、アイディアを生み出すためのロジカルな方法について僕がお世話になっている本をご紹介。
ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる
大手広告会社の博報堂出身の木村健太郎さんと磯部光毅さんが執筆した書籍です。
記事内でご紹介した「連想」の発想法も含めて、たくさんのロジカルな発想法が紹介されています。
アイディア出しに困ったときに、立ち返って何度も読み返して勉強しましょう。
ちなみに、Twitter(@marugomegannba)でも今回の様なプロモーション事例の解説記事を投稿報告していますので、リマンダー代わりにでもフォローしてください!
それではまた。
Let’s studying..!!